ARCHIVE[名品紹介]

1993年に発表され2011年に惜しまれつつ生産終了となった名作「Ref.5016」モデル。2001年に発表されたスカイムーン・トゥールビヨンが登場するまでパテック・フィリップの製作する機械式腕時計の中で最も複雑なモデルとされてきました。「永久カレンダー」「トゥールビヨン」「ミニットリピーター」の所謂3大複雑機構が同時に搭載された超絶ムーブメント「Cal.R TO 27 PS QR」を搭載するトリプルコンプリケーションモデルの「Ref.5016」は、機械式腕時計の頂点に位置するモデルのひとつです。複雑機構の中でも別格の存在であるミニットリピーターは、ムーブメントを囲う様に内蔵される棒状のチャイムを金属製ハンマーで叩き、文字盤に表示されている時刻を美しい音色で知らせる機構です。2本のゴングから成るミニット・リピーターは、「トラディショナルゴング」と呼ばれる高く澄んだ心地良い音色が特徴です。同メゾンのミニットリピーターは完成度の高さと希少性から他メーカーを寄せ付けない孤高の存在であり、時計芸術の極みとされています。複雑機構の花形とも言える「トゥールビヨン」は潤滑油の劣化を紫外線から妨げる為にケース裏に配置され、複雑な形状の3番車はゴールドで製作されております。これはミニットリピーターとトゥールビヨンが同時に搭載される手巻きモデルにのみ採用される特別な意匠です。ダイヤルには美しく仕上げられた植字のブレゲインデックスと古典的なブレゲ針が採用され、レトログラード式永久カレンダーをダイヤル上部に、ムーンフェイズ機能をダイヤル下部に配置した品格あるダイヤルデザインです。小ぶりな37mmケースに3大複雑機構を搭載した超絶モデル「Ref.5016」は、この世代の複雑モデルならではの圧倒的な存在感を放つ希少モデルです。